日本酒というと、どうしても悪酔いしたり、オヤジくさいというイメージを持つ人がいまだに多いようです。しかし日本酒は、海外ではワインと同様の醸造酒としてフランスの星付レストランで提供されていたり、全国的に日本酒を楽しむ女子会があったりと、若者にも見直されてきています。そんな注目が集まる日本酒をもっと美味しく楽しむには、ワインを楽しむときと同様、ちょっとだけ知っておくと良い知識があります。茨城の酒蔵めぐりに出かける前に、ちょっとだけ日本酒の勉強をしてみましょう。
監修:塚田屋ストアー店主 塚本光司さん
日本酒学講師の資格を持つ塚本さん。つくば市で酒屋を営むかたわら、利酒師として、地元茨城県の地酒の魅力を発信しています。
ひと口に日本酒といっても、その製造工程や米の精米具合などで多くの種類が存在します。まずは、一般に販売されている日本酒の酒類をチェックしましょう!!
精米歩合50%以下(酒米の半分以上を削った)の白米を使用した酒。日本酒の最高峰と称され、芳醇な香りと淡麗な味わいを楽しめます。
精米歩合60%以下の白米を使用した酒。発酵を止めるために醸造アルコールを添加することもあります。独特な芳香とともに味わえます。
かつては精米歩合70%以下の白米を使用した酒。米と米麹、そして水だけを原料にした、酒蔵の実力を手軽に味わえる人気の酒です。
熱燗でも人気の本醸造酒。精米歩合は純米酒と同様70%以下。原料に醸造アルコールを加え、飲み口を軽く仕上げているものもあります。
搾り立ての日本酒を加水調整しないで瓶詰めした酒。アルコール度数が18~20%と高めでキリッとしたのみ口を楽しめます。
搾り立ての日本酒を一切加熱処理しないで瓶詰めした酒。冷蔵保存が基本です。旨味が多く、蔵元の丁寧な仕事を味わえます。
当該年の7月1日から翌6月30日までに造られた酒です。特有の若い香りが特徴で、一般的に冬から春先にかけて楽しまれます。
樽詰めの前に加熱処理をせず、生のまま詰められた酒です。夏場の熟成を経て秋口に出回ります。穏やかな香りと滑らかな口当たりが特徴です。
搾り立ての原酒を加熱処理せずに貯蔵。出荷時に一度だけ火入れ処理を行ってから出荷する酒です。生独特の風味を残しています。
酒母を造るときの米を櫂棒ですりつぶす「山卸し」の作業を省いた酒です。濃醇で腰の強い味わいが多いとされています。
日本酒の味わいは基本的に4つのタイプに分類されます。「爽」「薫」「醇」「熟」の4つです。上記の日本酒の種類だけで自分好みの地酒を探すことは難しいですが、この味わいを知ることができれば、簡単に地元の日本酒に詳しい酒販店さんで店員さんに尋ねることもできます。まずは、この4タイプの味を覚えると良いでしょう。
「爽」
ほんのりと酸味がきいたフレッシュな味わいのこと!淡麗辛口がここに分類されます。
山中酒造(常総市)
一人娘 冷卸し
「薫」
大吟醸や吟醸酒などのように香りが立つタイプの酒です。サラリとしたキレの良さが特徴です。
稲葉酒造場(つくば市)
すてら 純米吟醸
「醇」
純米酒のように旨口酒がこのタイプに分類されます。甘味や旨味が複雑に絡み合います。
武勇酒造(結城市)
武勇 辛口純米酒
「熟」
熟成を重ねた結果、力強く複雑な味わいと香りを醸しだします。とろりとした飲み口です。
森島酒造(日立市)
大観 熟成純米 吟醸白砂青松
上記に示したように日本酒は4つの味わいに分けることができます。ただし、「爽」と「薫」のふたつの特徴を持った酒もあり、実に奥が深いのも特徴です。また、日本酒には「淡麗辛口」と呼ばれる味わいもあります。これは上記の分類とは別に「淡麗」に対し「濃醇」、「辛口」に対して「甘口」という味わいもあります。
「淡麗」雑味が少なくスッキリとした味わいのことを淡麗と称します。 浦里酒造(つくば市) |
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「甘口」酒度はマイナス!甘いというよりはまろやかな口当たりの酒。 府中誉(石岡市) |
「辛口」日本酒度が3.5以上のものは糖分が少なく辛口とされます。 山中酒造(常総市) |
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「濃醇」いろいろな旨味が重なり合った酒の味わいを濃醇と表します。 武勇酒造(結城市) |
ここまで、日本酒の種類と味わいについて考えてきましたが、一番大切なのは、日本酒を楽しく美味しく飲むことです。それには美味しい酒の肴と杯を酌み交わす相手が必要です。たとえば、ジャズのレコードを相手に、ナッツで地酒を楽しむなんていうのもお洒落ですよね。茨城の美味しい地酒を飲み比べしてみて、自分にぴったりの一本を探し出してください!!