筑波山へつづく道
広大な関東平野の北東部にある筑波山は、西側の男体山と東側の女体山からなり、三千年以上のはるか昔から信仰の歴史があるご神体です。南麓には、「つくば道」と呼ばれる参詣道が、北条地区を起点に中腹の拝殿まで続きます。江戸時代、江戸の鬼門にあたる筑波山には、この道の巡って多くの参詣客が訪れました。途中の神郡地区や田井地区など、当時の面影を残す街並みは長閑かで、どことなく厳か。ゆっくりと東西に綾線を広げる筑波山を眺めながら、のんびりと麓を歩いていると、まるで筑波山に囲まれているようです。忙しい日常に束の間の休息を。車を止めて歩き、ゆっくりと訪れたいエリアです。
つくば道の起点、北条
江戸時代、筑波山の参拝の門前町として栄えた北条地区。店や蔵や土蔵が軒を連ね、その歴史を物語ります。古くなった建物をリノベーションしたコミュニティスペースやカフェなどが点在し、歩いて散策するのにちょうど良い距離感です。桜並木がきれいな「北条大池」や大空を仰ぐ「平沢官衙遺跡」など、山麓の豊かな自然が楽しめる絶景スポットもおすすめです。
田井の里を抜けて
つくば道の中程、神郡(かんごおり)地区を中心とする田井の里は、茅葺き小屋や石倉、板塀を巡らせる民家が集まる長閑な集落です。神郡を抜けると、まもなく坂道に差し掛かります。通りは急勾配ですが、道の両側には風情あふれる民家が建ち並び、独特の景観をつくっています。
筑波山のお土産に
筑波山ならではのユニークなお土産物もたくさん。つくば市の無形文化財に指定される「ガマの油売り口上」でおなじみのガマの油や、名物の「ふくれみかん」を使った七味、山麓でとれた常陸小田米を使ったお煎餅など、お土産に、ご自宅用にぜひお買い求めください。